おまえは知らないだろう？ オレはいつだって、おまえのことを考えている。 キスをして欲しい。 抱きしめて欲しい。 おまえが欲しい。全部欲しい。 オレだけを見つめて欲しい。 オレのことだけ考えて欲しい。 ――……愛して欲しい。 おまえの腕の中で、 そのぬくもりに包まれていたいと、いつも願ってる。 そして、おまえは微笑むんだ。 優しく、穏やかな瞳をして オレを――… おまえが側にいるだけで、 オレはすごく幸せなんだ。 こんなにも、心温かい気持ちになれる。 不思議だな…。 おまえがここにいる。一緒にいる この限りない喜びを、何と表現したらいいんだろう おまえが欲しい。おまえしかいらない。 こんな貪欲なオレを、知ってたか？ ――…直江 “髪を梳かれるのが好きだ” やめろというまで、いつまでも優しく梳いてくれる。 長い指が心地いいんだよな。 “響く声が好きだ” でも、あの声で耳元で囁かれるとちょっと困る。 自分でもわかっているから憎らしいんだけどな。 “ベットでオレを抱き枕にするのも好きだ” 時折嫌がって、すぐにオレは離れようとするけれど…、 照れているんだよ。おまえだってわかっているんだろう？ “食べものを口にする表情が好きだ” オレが作った料理を、おまえは本当においしそうに食べる。 『おいしいですよ、高耶さん』 その一言が、嬉しい。 でも、そうだな、 なにより、好きなのは… おまえの“微笑み” なんだか、オレはおまえに与えてもらってばかりだ。 おまえを癒したいと思っているのに 、いつも苦しめてばかりで。 どうすれば、おまえを救うことができるのだろう。 いつもそう考えてる。 オレはただ… おまえを幸せにしたい。 誰よりも、おまえを幸せにしたい――…… 愛してるよ。 不安で息が止まりそうな時も、孤独も闇も、 その大きな翼でオレを護るように包んでくれた。 オレは初めて、人を信じることができた。 そう、おまえが教えてくれたんだ。 背中を預けることができたから、前を歩くこともできた。 なにもかも、おまえがいたからだ――…… ありがとう、ありがとう…直江。 ――…今夜は、おまえの誕生日 たしか去年のオレの誕生日には、 ハッピィバースディの歌をおまえが歌ったんだっけ。 ――ったく、いらねぇって言ってんのに耳元で囁いたんだよな。 夕食は、おまえの好物ばかりにしよう。 ワインを買って、乾杯するんだ。 今日は我侭をきいてやろう。 誕生日だからな、特別だぞ？ 『もう、祝うような年でもないんですけどね』 ――…馬鹿。 人の誕生日には騒ぎ立てるくせに、どうして自分のことにはそう関心ないんだ。 おまえは知ってたか？ 今日という日が、オレにとっても特別だということを。 なあ、壊れるくらい、愛してくれよ。 今夜は――…

BACK